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マーク社長来日

2015年8月31日 at 5:01 PM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

マーク社長は、私の恩人であり、兄であり、生涯のパートナーである。
私が26歳の頃、住宅建材商社の駐在員としてオーストラリアで働いている時に、
当時はまだ発展途上であったアステックペイントの名前を現地で聞き、
興味を持ち、私から訪問したのがはじまりである。
まだ小さな事務所であったが、マーク社長の塗料に対する情熱に圧倒され、
塗料に関わったことの無い私が、そのまま塗料業界に生涯を掛けるようになったのは、
間違いなくマーク社長との出会いがあったからである。

私が30歳の時に独立し、福岡で創業する際にも、多大な支援をしてもらった。
何も無い若造に、日本の総代理店の権利を譲ってくれた。
そして、それから約20年、どんな苦境に陥ってもサポートをし続けてくれた。
私が自信を持って言えるのは、お互い何があっても
絶対に揺るがない信頼関係がある、ということである。
生きている中で、このような人間関係を築けたのは、本当に幸せなことだと思う。

今回の来日で、マーク社長はEC-2000Fの改良版試作品を日本に持ってきた。
EC-2000DGからEC-2000F に変更し、性能は大幅にバージョンアップしたが、
白濁がしやすい等、以前には無かった問題が聞こえ始めたため、
その最終改良版の確認のための来日であった。
改良版のEC-2000F では、不具合の改良だけではなく、
他の多くの機能も向上させてきている。
20年以上前に生まれたEC-2000 という塗料を
今でも改良し続けているその執念と努力は、本当に凄いことだと思う。

マーク社長の信念に、「建物は柔らかい塗料でないと守れない」という考えがある。
私も今となっては理解できるようになった。
そして、もう1 つ判っていることは、柔らかい塗料は技術的に難しく、
世界中の塗料メーカーも技術開発を諦めている傾向がある、ということである。
日本でも、弾性塗料の技術開発は10年以上進化していない。
防水形複層塗材も同じく進化は止まっている。
そのような中、世界で唯一「柔らかい塗料」を進化させ続けるマーク社長を尊敬しているし、
この塗料を日本中に広めていきたい、と常に思っている。
「建物は柔らかい塗料でないと守れない」という、新しい概念のようで当たり前のことを、
信念をもってやり続けるマーク社長と、死ぬまで一緒に仕事をやっていきたい。

住宅塗装はサービス業

2015年7月29日 at 2:55 PM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

以前から、“リフォーム業はサービス業”と言われ続けてきた。
住宅塗装もリフォーム業の一つであるならば、
当然「住宅塗装はサービス業」であると再認識する必要がある。
しかし現実は、まだまだ住宅塗装を塗装工事業の延長として考え、
行動している会社が多いように思う。
住宅塗装における工事業とサービス業の違いを考えてみたい。
塗装工事業における職人の役割では、スキルを向上させ、
仕事のスピードを上げることが重要視されると思う。
その中で社長や番頭の意向を汲み、工期を早めたり、
原価削減の手助けができれば、高い評価がもらえるであろう。
礼儀や挨拶はできた方が良いが、評価の対象とはならない。
一方で、サービス業における職人の役割は全く変わってくる。
あまりにも施工スピードが早すぎると、お客様は不安になる。
職人として匠の技術を披露しても、お客様から評価されることはないし、
当然単価にも影響しない。
綺麗な仕上りにこだわるよりも、しっかりと挨拶をすることや、
連絡・相談ができる職人の方が遙かに評価される。
ビジネスとは、顧客満足の上に成り立つ。
そう考えると、顧客満足を追求するために、
住宅塗装をサービス業として捉えるべきではないだろうか。
しかし多くの会社は工事業の思考で仕事をしている。
それはつまり、顧客満足ではなく、自己満足で仕事をしていることと同じである。
単価400円のファーストフードでも、
当たり前に統一ユニフォームを着ているのがサービス業である。
お客様は統一ユニフォームに安心し、清潔感を感じることであろう。
しかし、受注単価が150万円もするうえ、
お客様の敷地内に2週間近く入り、日々接することになる住宅塗装では、
バラバラの服装で、清潔感も全く無い状態が常識となっている。
それは、工事業としての思考だからなのであろう。

今後、住宅塗装も含まれる住宅リフォーム市場が、厳しい時代になることは間違いない。
多くの異業種や大手企業も参入してきている。
顧客満足に応えられない企業が生き残ることは有り得ない。
住宅塗装がサービス業であることの再認識はすべきであろう。

ピンチはチャンス!

2015年7月2日 at 3:25 PM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

「ピンチはチャンス」とはよく耳にする言葉だが、
ようやくこの意味がわかりかけてきたような気がする。

アステックペイントを創業して、当初は多少苦しみながらも、
過去、毎年順調に成長してこられた。
私にとっての成長とは、前年比130%アップであり、
130%成長にこだわりを持っていた。
120%成長であれば、現在取り組んでいることを
もっと一生懸命やれば到達できる数字であり、
社内や業務を変革せずに達成できる。
しかしながら140%成長を求めると、
当然あらゆることの変革が必要になり、
社内体制や品質がその成長に付いてこられなくなるため、
様々な問題が生じるという感覚があった。
だから130%であった。
常に自らの変革を、スピード感をもって続けながら、
社内体制や品質を維持できるギリギリの境界線という結論であった。

そして、過去8年ほどは毎年ほぼ130%アップを維持してきた。
しかし、2014年は消費税の増税以降、急激に売上が落ち込み、
2014年度は110%成長という結果になってしまった。
その時、まだ私の中では消費税という外的要因が問題であるという油断があり、
成長が落ち込んできた理由には、
当社の内的要因にもっと大きな原因がある、
ということに気づくのにかなりの時間を要してしまった。
その結果、あらゆる構造的な問題に手を付けることが後手に回ってしまい、
2015年4月の段階で2015年度は約105%成長見込みという結果になった。

当社にとって、創業以来のピンチである。
しかしこのピンチがきっかけとなり、あらゆることに手を付け始めた。
かなり深い構造の部分にまで手を付けることができ、
会社全体を大きく変革することができた。
おそらく、今年度は105%成長を120%成長までに回復することはできるであろう。
2016年に130%成長の路線に戻せる体制が年内には出来上がる。
何よりも今回のピンチのお陰で、かなり深い構造変革を行なった結果、
今後5年間成長が維持できるだけのビジネスモデルを再構築できた。
順調に成長し続けたら、ここまで大きく変革はできなかったであろう。

「ピンチはチャンス」。
この意味を何となく実感できてきた