インフレ時代に生き残るために

2018年3月30日 at 2:33 PM

<2018年3月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

2018年春闘の労使交渉に先がけ、上場企業の7割強が「賃上げを実施する予定」と回答しており、その数は、前年を上回っているというニュースを見た。コンビニのバイトも数年前までは時給800円程であったが、今や1,000円を超えていることもあると聞く。塗装会社においても、応援で現場に入る職人の日当が確実に上がっているとのこと。景気が上向いている中、人手不足もあいまって、あらゆる産業で人件費が上がってきているのであろう。

また、日本ペイントや関西ペイントが、4月から塗料を値上すると発表している。原材料の価格高騰が値上げの理由のようだ。アステックペイントでも、同じく原材料メーカーから交渉の余地がない原材料値上げの通達を受けている。運送業界においては、運送費が大幅に上がってきているといった動きもある。今後、その他、さまざまな産業でも値上げが相次ぐに違いない。

こうした動きを経済用語で“インフレ”と言うのであろう。まさに今、20年以上デフレを経験した日本が、インフレ時代に転換していくタイミングなのかもしれない。とすると、デフレ経済にどっぷり浸かってきた我々はインフレ時代に向けた準備をしないと、時代の波にのまれてしまうのではないだろうか。

インフレになると、物価が継続的に上昇するため、人件費や仕入れ価格が上がっていき、原価が否応なく上がる。原価が上がれば、売値も上げなければ粗利が減ることになり、会社にとっては致命的なダメージとなる。そのため、インフレ時代に生き残れるかどうかは、自社の商品やサービスの売値を上げることができる力があるかどうかに尽きると思う。

売値を上げた瞬間に顧客が離れてしまうような会社、たとえば、安値で勝負をしている会社や、元請け会社からギリギリの価格で請け負っている下請け会社は、インフレ時代には生き残れない。反対に、売値を上げても、顧客が納得して継続的に購入・取引してくれる会社は生き残っていけるだろう。

売値を上げることのできる会社とは、具体的にどんな会社であろうか。
おそらく、顧客との信頼関係が築けており、品質やサービス力は競合他社より優れており、提供する商品やサービスの価値が価格より高い会社であろう。こうした会社の提供する商品やサービスを価格が上がったからといって買わない理由はないはずだ。さらに、こうした会社は、地元にしっかり根付き、社員の教育が行き届いていて社風が良く、ブランド力、営業力、接客力、品質管理力、商品力などすべてが競合他社より優れている地域NO.1 の会社であると思う。

つまるところ、結局は、地域NO.1 になるための努力をしていくことが、インフレ時代に対応し、今後も、生き残っていく唯一の手段なのであろう。

外国人労働者の活用について考える

2018年2月28日 at 2:24 PM

<2018年2月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

タイの建設現場を支えているのは、外国人労働者であることはよく知られているが、昨年、タイ政府が取締りを強化し、多くの不法就労者が帰国したことで、建設業界や小売業界では倒産の危機に陥った企業も少なくなかったようだ。
タイでは、少子高齢化によって労働人口が減少しており、また、日本と同じように多くの労働者が3K(きつい、汚い、危険)と呼ばれる仕事には就きたがらないため、隣国のミャンマー、ラオス、カンボジアから大量の労働者を受け入れている。その数は、不法就労者も含めミャンマー人400万人、カンボジア人120万人、ラオス人60万人と言われ、計600万人近い外国人労働者を受け入れていることになる。タイの労働人口が3800万人と考えると、労働人口の約15%が外国人労働者ということになる。

失業率が1%前後のタイにおいて、タイの労働人口だけであらゆる産業を成長させ続けていくことは不可能であろう。とすると、今後は国をあげて外国人労働者の受け入れ体制を整備し、国民や地域社会が外国人労働者を支援しながら共存できる社会をつくっていくのだと思う。歴史的背景から考えると、東南アジアでは、中国人も含めた人口の大移動や国境の変動もあったため、外国人労働者を受け入れやすい基盤もあるのかもしれない。

日本で働く外国人労働者の状況は、タイに近づきつつある。都内にあるコンビニのアルバイトは多くが外国人であり、一部の産業では外国人無しでは経営が成り立たなくなってきているのではないだろうか。日本では外国人労働者の受け入れに厳しく門戸を閉ざしているが、数字を見ると、68万人(2012年)から128万人(2017年)と外国人労働者の数は大幅に増えている。そして、そのほとんどが、勉強をしに来ている留学生、実務の研修を受けている技能実習生である。留学生や実習生というのは名ばかりで、外国人労働者として日本の産業の一部を支えているというのが実際のところのようだ。

今後、欧米並みに労働生産性を上げる努力をするとともに、AI、IT、ロボットをもっと活用することで、労働力不足の一部は解決できるかもしれない。また、人手が足りない産業の給与を上げることができれば、他の産業の余剰人材を移行させながら、国民全体の給与をヨーロッパ並に引き上げることもできるだろう。そして、人を採用するより、ロボットを使ったほうが割安となれば、AIやロボットの開発も進むに違いない。

とはいえ、“現状の建設業界の給与を大幅に上げる”“必要なロボットを次々と開発する”といったことには時間がかかるため、現状は、外国人労働者の活用と社会での共存という選択肢も検討せざるを得ないだろう。

ビジネスマンの最強仕事術

2018年1月25日 at 1:19 PM

<2018年1月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

“毎朝同じ時間に起きて、毎晩同じ時間に寝るという規則正しいリズムで生活を送り、タバコやお酒はほどほどにして、多少の運動をすることが健康の秘訣”のような話をよく聞く。
規則正しいリズムで生活をしていると、仕事においても、集中力が増すなど、良い影響があることは間違いない。

しかし、私は真逆の生活を送ってしまっている。
最大の原因は、タイと日本の二重生活を送っていることにある。よく、こういった会話をすることがある。

 相手「日本とタイとの時差はどのくらいですか?」
  私「2時間なんですよ」
 相手「それなら、まだいいですね」
  私「そうですね」

しかし、この2時間が曲者なのである。そのことに気づくのに、3年かかった。例えば、タイから日本に戻ったとき、夜12時に寝ようと思っていたとする。しかし、日本では12時になっていても、タイ時間では10時のため、あまり眠くない。そのため、ついつい夜ふかしをしてしまう。そして、翌朝8時に会社に行こうと思うのだが、タイ時間ではまだ6時なのでかなり辛い、ということになる。この時差2時間が緩和される頃には、またタイに戻ることになる。そんな生活を4年以上、毎週もしくは隔週繰り返していると、生活リズムが崩れ、体のリズムも作れなくなってくる。数年前、上手く体のリズムが作れなくなり、全てが悪い方向に向かっているような感覚に陥り、自分自身に対する危機感を覚えたこともあった。

体のリズムが作れなくなって顕著に表れたのが、読書量の激減であった。緊急ではないけれど重要な時間として、本を読むためのリラックスした時間を捻出する習慣があると、一定数の本を読むことができる。
しかし、生活リズムが崩れがちな今、なかなかそういった習慣をつくることができていない。

そうは言っても、タイと日本の二重生活はしばらく続ける必要がある。そんな状況のなか、長い移動時間と、2時間という時差を克服する鍵は、「体力」にあるという結論に至った。
ビジネスマンの仕事術を3階層のヒエラルキー(ピラミッド型階層)で表現すると、底辺が「体力」、真ん中が「専門分野のスキルと経験」、頂点が「人格と想い」になるというような話を聞いたことがある。つまるところ「体力」が仕事の基礎であり、仕事の全てを支えている要素であると言うことだろう。

最近、体力づくりをはじめ、自分自身でも変化を感じている。今も決して規則正しい生活リズムではないが、体のリズムを崩してしまうなどの多くの悪影響を「体力」が消し去ってくれているような気がしている。

プロ野選手は、オフシーズンに、いかに走り込みをして体力をつけるかで、長いシーズン、活躍できるかどうかが決まると聞く。ビジネスマンとしてエンドレスに続く仕事に勝ち続けるためには、結局は「体力」なんだと、47歳になって改めて気づいた。