住宅塗装の今後の動きを考える

2020年5月29日 at 3:23 PM

<2020年5月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

 

緊急事態宣言が段階的に解除されてきた。これから世の中がどのように動いていくのか、様々不安に思うタイミングでは あるが 、まずは住宅塗装の今後の動きを考えてみたい。

 

戸建住宅を所有するのは、一般的にアッパーミドル以上の方々で、多くは社会的地位のあるサラリーマンもしくは貯蓄がしっかりある年金受給者の方々になるだろう。このような方々は、新型コロナウイルス感染症による経済的な影響をさほど受けていない。失業した 、収入が減ったなどの話を聞くことも少なく、むしろステイホームでお金を使う機会を失っている。ただ時間だけはあり、父親達が空いた時間で日曜大工を張り切ってするので、ホームセンターは大行列をなしている。

このようなことを考えると、ステイホームの反動で、上記のような方々は貯まったお金の使い道を探し始めているのかもしれない。さらに 、一人10万円(4人家族で40 万円)の給付金が入ることが期待される。旅行に行くタイミングでもなければ、車を買い替えたいというモチベーションもなく、ステイホームにより家族全員で過ごした家に対する愛着や有り難みを感じて、「せっかくだから住宅塗装をしよう」と考える方々が増えてくる可能性もあるだろう。

 

また住宅塗装業界の動きとしては、大都市と大都市以外で市場の動きが大きく違うようであるため一概には言えないが、緊急事態宣言が解除されたエリアから、段階的に住宅塗装への反響が戻ってきているようである。これには 、今まであまりにも暗いニュースばかりだったので、ようやく光明が差してきたのではないかと期待したところだ。このチャンスを逃すことなく、販売促進をしっかり考えるタイミングだと思う。

 

しかしながら、この流れが続くのかと言うと誰もわからないだろう。ステイホームの反動による消費の可能性、給付金への期待感 、現時点では旅行や自動車などの選択肢がないなどの理由はあるのかもしれない。ただし 、少し長い目で経済動向を考えると、昨年末から消費増税が始まり、すでに不景気に入り始めたことをあらゆる統計データが示していた。そこに新型コロナウイルスが発生し、社会による強制的な経済活動の停止があり、計り知れないほどの経済ダメージを負っている真っ只中のはずである。たまたまステイホームの反動や給付金への期待などで、短期的な動きに安心する訳にはいかない。

 

2月末頃から新型コロナウイルス感染症が広がり、様々なことが起きてきた。「まだ、たったの三ヶ月」と思うほど、様々なことがものすごいスピードで駆け巡ってきた。一つ言えることは、この三ヶ月間は一週間単位で様々な変化が 起きている。よって 、チラシや WEB サイトの反響なども、同じように短期で大きく変わる可能性がある。

 

今は、 時代の変化のスピードに食らいつき、目の前のチャンスは確実に獲得しながらも、一喜一憂しないことが大切だと思う。