2020年の日本社会を考える

2020年1月31日 at 3:35 PM

<2020年1月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

2020年の日本社会の流れとして、以下のようなことが考えられる。

1. オリンピック終焉による景気の冷え込み
  これは、どの開催国でも例外なく起きている。
  ただ日本国内での建設需要においては、オリンピックに向けて計画された大型プロジェク
  トが人手不足により未完工のまま数多く残っているため、急激な冷え込みは感じられない
  だろう。

2. 時間外労働の上限規制による残業代カットの影響
  働き方改革の一環として、2019 年4 月より大企業に適応されていた「時間外労働の上限
  規制」が、2020 年4 月より中小企業を含めた全ての企業(一部除く)に適応される。
  「残業規制」と言うと聞こえは良いが、時間外労働による残業代を住宅ローンや教育費に
  組み込んでいる家庭も多く、この半強制的な規制による日本社会全体の実質的な賃金カ
  ットは約4~5兆円と試算されている。
  2%ほどの消費増税と同等の影響と考えると、社会全体に大きな影響が出るだろう。

3. 消費増税(8%→10%)の影響
  昨年10 月に施行された消費増税は、実質的に今年が最も影響してくるだろう。これまでの
  消費増税は景気が上向いている時に施行されたが、今回は消費者態度指数、景気動向指数
  ともに近年最低を記録し景気が低迷している最中に施行されている。
  過去の消費増税以上の影響があるかもしれない。

4. 米中貿易戦争の長期化による影響
  経済大国のツートップが経済戦争を行なっており、その長期化が見込まれている。企業収
  益への影響は確実に出てくるはずで、日本企業への影響はこれから本格化するだろう。

上記以外にも、国内外での様々な悪条件を考えてみると、2020年に明るい未来がやって来るようには到底思えない。
しかしながら、このような社会の流れは、自社・競合他社関係なく全ての企業に平等なはずである。それならば、外的環境を憂いるより、内的環境を変化させる努力を行なうべきだろう。消費増税や米中貿易戦争のような外的環境を心配しても、結局何もできず何も変えられない。内的環境であれば、自社努力で変革させることができる。外的環境の変化にあわせて内的環境を変化させることで、影響を無くすことも不可能ではない。内的環境を変化させている間に競合他社が淘汰されていくことを想定して、さらなる次のステップを想像するのも楽しいと思う。
結局は、自社のビジョンをしっかり見据え、やるべきことを粛々と行なっていく企業が生き残ることになるだろう。