内定式を終えて

2018年10月31日 at 5:07 PM

<2018年10月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

去る10月中旬ごろ、福岡市内で、2019年入社予定の新入社員の内定式を行なった。来年の春には、16名もの新入社員が入社してくる。多くの企業では採用予定数の半数も確保できていないことがニュースになる中、これだけ多くの学生に就職先として選んでもらえていることは、本当に光栄なことだと思っている。
そして、今回、内定式を終えて、改めて、若い世代との付き合い方について考えている。

GAFAと呼ばれるグーグルやアマゾンなどの大手IT企業は、これまでの既存概念とは全く違うかたちでビジネスを展開し、膨大な収益を築いている。今後も、想像もできないような展開をしてくるであろう。
日本に目を向けると、日立製作所の社長が“製造業はなくなる”という表現を使い、「デジタル経済の中における未踏の領域で変化させていかなければならない」と語っているのを新聞のインタビュー記事で見た。また、世界最大手自動車メーカーのトヨタ自動車は、自動車製造業から移動サービス全般を提供するモビリティ・カンパニーに変わると宣言している。そしてトヨタ自動車が未来のパートナーに選んだソフトバンクとの新会社の出資比率は、ソフトバンクが50%以上、トヨタ自動車が50%未満と、ソフトバンクが主導権を握るかたちになっている。今までの価値観では全く理解できない動きが世の中で次々と起こっている。

今後、このような新しい価値観といかに向き合い、理解し、さらには自分のものにすることができるかが重要になっていくだろう。そう考えれば、今の若者の価値観を安易に否定するのではなく、未来の新しい価値観を有する存在として認め、学ぶべき対象と思うべきではないだろうか。これまで日本経済を担ってきた世代が驚くような価値観も、今の若者にとってはごく当たり前の価値観なのかもしれない。であれば、若者の価値観に少しでも近づき、理解する努力をするべきなのであろう。同じ理由で、今の若者が喜んでエネルギッシュに働ける環境をつくれる会社こそが、これからの未来の変化に対応し、未来に生き残っていける会社なのかもしれない。

来年入社してくる新入社員とも、こうした考えをもって付き合っていきたいと思っている。