社長は会社にいない方が良い!?

2016年5月30日 at 8:23 PM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

「社長は会社にいない方が良い」という言葉を、よく耳にする。
意味合いとしては、何となく理解できる。
社長が抱えている仕事の裁量権をどんどん社員に渡して、
社員に任せた方が社員も成長するし、
結果として、会社の業績が上がるという話だと思う。

決して間違っているとは思わないが、時々、違和感を持つことがある。
なぜならば、会社にいない社長が、結局、仕事をしないで遊んでいる、
もしくは遊んでいると社員から思われているケースが多いからである。
そういった状況で会社の業績が上がるはずはない。
そして、そういう社長に限って、「社長は孤独だから」という決め台詞を
言うことが多いように感じる。

もちろん、任せられる仕事はどんどん任せた方が良いに決まっている。
すぐに任せられない仕事も、教育をしながら徐々に任せていくというプロセスを
踏んでいくことが望ましい。
ただ、仕事を任せた後は、放置するのではなく、時々チェックしながら
軌道修正をする必要があるだろう。

さらに、任せられる仕事を社員に移行した後、社長が何をするかがポイントとなる。
そもそも、社長と社員は、それぞれ役割や責任が違うはずである。
社員に仕事を移行したのであれば、社長はもっと次元の高い仕事に移行して、
社内・社外の場所は関係なく、社員の誰よりも一生懸命仕事をして、
会社の業績に貢献している姿を見せなければならないと思う。
社員が、そんな社長の姿を見て、高いモチベーションを維持し、
任された仕事に責任感を持って取り組むという関係性が望ましいのではないだろうか。

以上の理由から、私は「社長は会社にいない方が良い」という言葉は、
ピント外れのような気がしている。
そして、同じくらい「社長や上司は早く帰った方が良い」という議論にも違和感がある。
上司が早く帰って、部下が遅くまで仕事をしているならば、
上司は部下を手伝って、早く仕事を終わらせ、少しでも部下を早く帰すべきだと思う。
とはいえ、なかなか仕事を早く終わらせることができない企業も多いだろう。
特に成長企業ではこの傾向が強い。
重要なことは、社長や上司は、なぜ仕事が夜遅くまでかかってしまうのか、
その原因を掴み、問題点を改善する努力をし続けることではないだろうか。
早く帰ることで業績が落ちるのであれば、誰も幸せになれない。
早く帰っても業績が落ちない仕組みづくりを、社長や上司は、
夜遅くまで残ってでもやるべきだと思う。

かくいう私も反省点を沢山抱えており、「社長は孤独だ」と弱みを言いたくなる時もある。