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塗装工事しか大手には勝てない

2015年5月1日 at 11:25 AM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

住宅リフォーム市場の厳しさは時々耳にする。特に、水周りを中心としたリフォームでは、「売上が半減した」という話は珍しくなくなった。ただ、よくよく考えてみると当然の結果かもしれない。なぜなら、住宅リフォーム市場の規模は拡大していないが、家電量販店やホームセンターなどの大手異業種からの参入は激しさを増している。水周り関連のリフォームにおいて、数年で数百億円を上げるような会社が次々と増えており、今までの地元密着企業の市場パイをどんどん奪っているのだ。

水周りリフォームの構造を考えてみると、受注工事代に占める建材代金の比率は40~50%ぐらいと、かなりの割合になる。すなわち大量購入ができ、仕入れを抑えられる大手が勝つ構造になってしまっている。なぜなら、水周りリフォーム工事の価値は、トイレやユニットバスなどの商品性能以上の価値を上げることがとても難しい。太陽光はもっと顕著であろう。工事代に占める建材代比率は60%近くとなり、仕入れが安い大手しか生き残れない構造である。

塗装工事の場合について考えてみると、受注工事代の塗料代比率は20%程が目安で、人工は40%近くになる。塗装工事の価値は、当然塗料商品の性能もあるが、職人による価値創造も含まれる。仕様書通りの施工で性能を確保することや、仕上りの綺麗さなどは、全ての現場で異なる。ここが水周りリフォームとの大きな差である。商品性能に依存しない塗装工事は、大手が参入しにくい分野となる。

すなわち、この厳しい住宅リフォーム市場で生き残るためには、大手と競争しない塗装を中心に、もしくは入り口にすることが大きなヒントとなるだろう。

塗装工事においても、大手は単一的な商品ラインナップと低価格戦略で打ち出し始めている。実際には、職人管理のずさんさによるクレーム事例が多く発生しているようである。塗装工事においては、職人の価値を高め、大手に負けない体制を作ることは可能である。低価格帯に引っ張られるのではなく、もっと塗装の価値を高めることを考えていく必要があるだろう。