大きな変革期を迎える塗装市場

2015年10月28日 at 4:42 PM

<アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>

9 月、10 月と、全国の多くの加盟店様を訪問してきた。

市場動向のスピードの早さには、改めて驚かされることばかりである。
住宅リフォームの塗装市場を改めて眺めると、
やはり大きな変革の時期なのであろう。
Amazon も一般リフォームだけでなく、
年内には塗装市場にも参入するとのこと。
全国に膨大な店舗を構え抜群の集客を誇るホームセンターも
住宅リフォームに益々本気になっている。
当然、塗装にも力を入れていくだろう。
ハウスメーカーも新築が減少していく中で、
リフォームには本気の本気で取り組んでくることも間違いない。
しかしながら、住宅リフォーム市場の成長はピークを迎え、
しばらくは現状維持を続けるが、近い将来は確実に衰退へと向かっていく。
本当に厳しい時代に入るのであろうと実感するばかりである。

ホームセンターやハウスメーカーの大手が、
今後も巨大な資本を投入しながら
成熟したリフォームマーケットを開拓していく中で、
今までのメインプレイヤーであったはずの地場総合リフォーム会社、
元請け塗装会社、訪問販売会社などは、
確実に小さくなっていくパイの奪い合いをしていくことになる。
その兆候は既に見え始めているように感じる。
一部の勝ち組と大多数の負け組の境界線が鮮明になってきたようである。

元請け塗装会社は、負け組になれば当然、市場から撤退させられ、
安請けの下請けに甘んじていく運命を辿ることになるであろう。
では、勝ち組になったからといって安泰な時代を迎えられるかというと、
そういうわけではなさそうだ。
比較的、小規模が中心の元請け塗装会社が勝ち組になったからといって、
成長路線を謳歌できるとは言い切れない。
なぜならば、元請け塗装会社の多くが、
どこかで営業と職人の採用という高い壁にぶち当たることになるからである。
そもそも会社は営業と職人の数に比例してしか、成長していくことができない。
そして大手に立ち向かい、勝ち組になるためには、
営業体制と工事体制を整え、会社を成長させていくしかないのである。
しかし、成長路線に乗れなければ、
いずれ負け組に転じることも十分あることも承知しながら、
多くの会社が人員を増やすことに抵抗感があるようだ。

営業を採用することに躊躇する原因は、
今の売上がたまたまできた数字であって、
今後も通用するビジネスモデルになっていないことへの不安なのであろう。
職人の採用は、さらに複雑で、季節変動の上下幅があるために、
職人を抱えることのリスクを乗り越えられないようである。
しかしながら、これらの課題を乗り越えない限りは、
本当の意味で勝ち組にはなれない。
勝ち組の一つの条件は、地域一番店になることである。
すなわち、ある一定の規模の営業と工事体制が整っていることである。
そして、今後の勝ち組は同業者との戦いではなく、大手との戦いになっていく。
あまりゆっくりしている時間はないはずだ。