徳川家康の格言に学ぶ
<2017年3月号アステックペイント定期発行物ホットラインの一部抜粋>
2017年に入り、多くの経営者とお酒を酌み交わす機会があった。お酒の席で話し込んでいると、必ず経営談議になり、最後は“人の悩み”が中心となる。私も、経営は結局「人で始まり、人で終わる」と思っている。そして私も、これまでを振り返ってみても、いつも人の悩みを抱えながら、突っ走っている経営人生である。
そんな折、徳川家康の格言を目にする機会があった。
正直に言うと、衝撃であり、目から鱗であった。そして、恥ずかしくなる自分がいた。
大将というものはな、 家臣から敬われているようで、
たえず落ち度を探されており、 恐れられているようで侮られ、
親しまれているようで疎んじられ、好かれているようで憎まれているものよ。
家臣を扱うには、禄で縛りつけてはならず、
機嫌を取ってもならず、遠ざけてはならず、
恐れさせてはならず、 油断させてはならないものよ。
家臣を率いる要点は惚れられることよ。
これを別の言葉で心服とも言うが、
大将は家臣から心服されねばならないのだ。
愚かなことを言う者があっても、 最後まで聴いてやらねばならない。
でなければ、 聴くに値することを言う者までもが、 発言をしなくなる。
いさめてくれる部下は、 一番槍をする勇士より値打ちがある。
己を責めても人を責めるな。
徳川家康と言えば、江戸時代の礎を築いた人物である。江戸は、265年という長い年月の中で100万人という、世界最大の人口を有する都市になった。富と権力の均衡化、ヨーロッパの芸術にジャポニズムという大きな影響を及ぼした浮世絵を代表とした町人文化の発達、なかでも治安や教育レベル、清潔さは、当時、世界一だったとも言われている。
徳川家康が江戸時代の礎を築いた立役者であることを踏まえると、格言は、より一層、重たさを増す。そして、徳川家康の格言は、今の時代にもそのまま当てはまる普遍的な内容であり、読めば読むほど、自分自身が恥ずかしくなる。いつも反省の日々である。
最近のコメント